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はしもと

Author:はしもと
ユーザインタフェース系のお仕事をしてます.関心領域は画像処理,拡張現実感,ヒューマンコンピュータインタラクション,エンタテインメントコンピューティングあたり.モノ書きもやってます.

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工学ナビの中の人 はしもとのブログです. いろんなコトを研究的,工学的な視点で見つめます.
iPadを使ったDisplay Based Computingの話
iPadは個人的に「重い」と思っているので、普段持ち歩くようなことはしていないのですが、
かといって、家で使うのかと言うと、家にはMacBook Proがあるのであまり使ってないのです。
僕は、手で持って使うよりは、テーブルに平置きするとか、壁にかけるとかの使い方のほうが
面白いと思っていて、「電子書籍リーダ」というより「Interactive Surface」として見ています。

で、こいつはタンジブル系のディスプレイ・インタフェースを作って遊ぶのが面白いんじゃないのかと。雑な言い方をすれば、ディスプレイの上にあれこれモノを置いて何かする系、ですね。

この方面だと、Display Based Computingという面白い研究があって、その例として、
ディスプレイに表示した画像を使ってロボットの動きを制御するというアイデアがあります。

DA_RMR.jpg
Relative Motion Racing

Relative Motion Racing というアート作品では、ディスプレイの上に小さなロボットが
いくつか載っていて、ディスプレイに表示されている動画に同期して動きます。
あたかもロボットが画面の中の流れる道路を走っているように見えます。
ロボットの底面に光センサがついていて、動画中の特殊な画像をトラッキングするように
なっています。ロボットの脳みそには「画像をトラッキングして動く」ということしか
インプットされていません。

通常、音楽や映像に同期してロボットみたいな機械的な何かが動くコンテンツを作るのは
恐ろしく大変なのですが、この方法を使えば、動画を作る過程で「動きの指示」を簡単に
組み込むことができます。

画像を使ってモノを制御できるということは、絵であればなんでも良くて、形式も作成ツールも
問いません。Flashでもいいし、GIFアニメでもいいし、YouTubeにうpした動画でもOK。
しかも、それを動かすインフラは、ディスプレイを備えた「何か」であればいい。
このスケーラビリティの高さは目を見張るものがあります。

で、話はiPadに戻るのですが、iPadはDisplay Based Computing をやるのにぴったりなインフラ
じゃないかなと思ってます。薄くて平置きに適していて、ネットに繋がるコンピュータだという点で。

正規の方法でiPadアプリを作る必要はなく、Javascriptで動くWebサイトを
作っておいて、それをSafariで表示したり、上記の仕掛けを組み込んだ動画を
YouTubeにうpしておいてそれを表示する、という方法が使えます。

さて。前置きが長くなりましたが、一晩で作ったおもちゃを紹介します。

Sensor Doll on iPad



フィギュアの中に光センサ(cds)を使った単純な回路が組み込まれていて、
光に反応して目が光ります。まぁそれだけの仕組みなんですが、iPadに載せて
点滅が多い動画をYouTubeで再生すると、それに同期して目がペカペカ光って
面白いです。

マイコンを使えば、特殊なパターンで発光させてそれを読み取ってごにょごにょ...
という話もありますが、それはまぁそのうち。

ディスプレイの上に何か置く系の研究は昔からたくさんあるので、それをiPad用にアレンジ
するのも面白いと思います。The ACM International Conference on Interactive Tabletops
and Surfaces というズバリこれ系を扱う国際会議もあるので、そちらも参考に。

上に載っているモノを検出するしくみをちゃんと入れて、ディスプレイ面を境界として、
リアルとバーチャルが相互に影響しあうインタラクティブなモノを作るときっと楽しいです。

というわけで、今日はここまで。


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(2009/12/12)
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この記事に対するコメント

これ面白いですねえ。
この仕掛ならディスプレイの面積が許す限り無制限にフィギュア等のオブジェクトを載せたり、動画の作り込み次第で色々と遊べそうです。

LEDじゃなくてモーター系を駆動させる小型オブジェクトみたいなモノを画面いっぱいに敷き詰めたら二次元→三次元変換装置になるかも(笑)
【2010/08/26 08:13】 URL | ソノヤマ #- [ 編集]


ソノヤマさん
あっどうもありがとうございます:-)

> LEDじゃなくてモーター系を駆動させる小型オブジェクトみたいなモノを画面いっぱいに
> 敷き詰めたら二次元→三次元変換装置になるかも(笑)
いや,まさにそういう話なんですよこれ.この例だと,光→光なので,実はあまりよくない例で,ぶっちゃけテレビ石(笑)

この技術は,位置と輝度の情報を使って,2~3次元の情報のモダリティ変換ができるすぐれた方法なのです.プロペラをたくさんならべて,そいつらの動かし方をデザインするのも簡単.絵を描くだけ.小型アロマポットを乗っければ,画面の色に応じていろいろな香りを出す,なんてこともできるでしょう.

なにより画面内容と連動させる際に,ハードウェアとソフトウェアの通信プロトコルで悩まなくて良いのがすばらしいです.なにか一緒につくりませんか?
【2010/08/26 13:53】 URL | はしもと #F54KmX5Y [ 編集]


やりましょう!(笑)
【2010/08/27 01:00】 URL | ソノヤマ #- [ 編集]




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