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橋本なおき

Author:橋本なおき
高専→大学→大学院と進んで現在博士3年生.専攻は制御工学だけど,研究は画像処理を機軸に,バーチャルリアリティ,拡張現実感,複合現実感,ヒューマンコンピュータインタラクション,エンタテインメントコンピューティングあたり.専門書大好き.

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工学ナビは工学系の大学生・高専生を対象としたノウハウ系サイトです.主なコンテンツは制御系シミュレーション,C言語,そして画像処理ネタ.

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工学ナビの中の人 橋本なおきのブログです. いろんなコトを大学生的,工学的な視点で見つめます.
インタラクション2008に行ってきました
でもって2日目にインタラクティブ発表しました.お玉のやつです.
以下,感想を適当に書きたいと思います.

int2008_kanban.jpg

またこの看板か!


int2008.jpg

去年に引き続きスポンサー様はGoogleとMicrosoft Research.
今年もコーヒーとドーナッツをありがとう.



■ 今年のインタラクション

参加人数: 659名(だったと思う)
一般講演の採択率: 13/37
インタラクティブ発表の採択率: 56/143
ポスター発表: 13件(ポスター発表として投稿) + 64件(インタラクティブ発表として投稿)

という感じで,かなり規模のデカイ学会です.例年のデモ発表の投稿件数の急激な増加から,
今年からデモ発表に対してコメント付査読をやるようになり,若干ハードルが上がったようです.
僕の中で 「インタラクション = HCI系の学会 + デモ発表いっぱい = 楽しいね!」
みたいな認識だったんですが,始まった当初はデモ発表はほんのおまけ程度だったらしいですよ.

<余談>
査読うんぬんに関しては暦本さんが興味深いことを書いてらっしゃいました.
今後WISSやインタラクションに投稿される予定の方は要チェック?

インタラクション2008、半順序式査読採点手法 - NextReality


■ 面白かった発表

残念なことに2日目は自分のデモの準備・発表・片付けでほとんど見れませんでした.
以下,記憶に残っているものを適当に.


● 来客と顔見知りになる案内ロボット
  宮下善太,神田崇行,塩見昌裕,石黒 浩,萩田紀博(ATR)

 ショッピングセンターで案内ロボットを動かして実験してみました,という話.タイトルの通り,客と顔見知りになって「このあいだ来てくれたよね?」などと言ってくれるロボットです.このロボット,やたらと商売上手で「あそこのクレープ美味しいって聞いたんだけど食べてみて」とか「この間話したクレープ食べてみた?」とか言うんですが,実験結果のなかに「おかげで子供にクレープをせがまれた」という親御さんのコメントがあり思わず苦笑.お母さんはたまりませんね.顔見知りになることが購買行動につながるという結果が出ていましたが,ロボットが珍しくなくなった未来においてこれがどうなるか,果たして?と議論になりました.

 僕の乗ってる原付は,長らく使っていないとキーを挿したときに「久しぶり!」などと馴れ馴れしく言ってくるんですがそれに似てますね.非生命体にこういうこと言われて悪い気はせず,「こいつめ,かわいいな」とさえ思うわけです.

 「顔見知り」という対個人用コミュニケーション機能は,ロボットに限らずほとんどの対人システムに有効だと思うんですよ.聞くところによると,2次元のキャラクタに「このアイテムを買って!」とせがまれてリアルマネーを払っちゃう人もいるわけですし.Amazon君に「あなたにはこの商品もオススメです」と薦められて悪い気がしないので,もはや形をもたない存在に対しても親近感というものは生まれるんだと思います.

 客にモノを買わせたり,また来店させたりといったことは夜の仕事をしてる人たちが得意なので,その辺りのインタラクションを考察してみるとなにかヒントが見つかるかも.


● 矢印としてマッピングした写真によるアニメーションとストーリー作成
  藤田 秀之,有川 正俊(東京大)

 地図上に配置された矢印にその位置・方向で撮影した写真を対応づけて,撮影者の足取りを辿るようにアニメーション付のスライドショーで写真を再生してくれるシステム.デモと口頭発表がありました.旅行記録や観光案内のようにストーリー性をもつ写真コンテンツのビューアとして非常に有効で,これはすぐにWEB上で動くサービスとして稼動させて欲しいシステムです.歩きながら写真を撮るのが趣味な人は喜びそう.


● CORON: 実世界移動型エージェント提示システム
  山本 友紀子,石井 健太郎,今井 倫太(慶應大),中臺 一博(ホンダ)

 壁面にプロジェクタでエージェント(CGのキャラクタ)を表示するシステム.壁面を動き回りながら「探し物はここにあるよ」とか「行き先はこっちだよ」などとしゃべってユーザとコミュニケーションを行うことを想定しています.特筆すべきは超指向性のスピーカを使って音を飛ばすことにより,あたかもエージェントが表示されている位置から声がするような効果を実現しているところ.もやしもんに出てくる某キャラクタに似たエージェントが可愛かったです.


● バランスボールインターフェース
  安本 匡佑,坂井 理笑,桐山 孝司(東京芸大)

 タイトルのまんまですが,バランスボールに乗っかって弾んで動かすことで入力を行うコントローラです.圧力センサと加速度センサで計測してます.そのうちWiiに実装されて「Wii Ball」みたいな名前で売られてたりしてそう.


● 赤外およびフルカラーLED と加速度センサを内蔵したスポーツ用ゴムボール「跳ね星」の開発
  出田 修,中村 潤,芝崎 郁,児玉 幸子,小池 英樹(電通大)

 中に加速度センサが入っていて,振ったときの加速度に応じてボールが光ります.さらに中に赤外線LEDも入っているので,カメラで撮影してボールの位置を計測することもできます.デモではボールを床に落とすと,落としたところに星のCGが飛び散るというのもやってました.この光るボール欲しいんですけど!


他にも面白いのはいろいろありましたが,長くなるのでこのへんで.


---

遠方から機材持ち込んでデモ発表というのは初めてだったのでいろいろと新鮮でした.
ブースに足を運んでくださった方々,貴重なコメントをくださった方々に感謝いたします.

身内が卒修論発表会だったため,自分ひとりで準備から発表から片付けまで
全部やらなくちゃいけなくてかなりシビアな状況でした.
現場で手伝ってくださった方々,本当にありがとうございました.

数人の方が「工学ナビの中の人ですよね?」とお声をかけてくださいました.
ありがとうございました.うっかり「中の人などいない」と言いそうになりました.
これからもよろしくお願いします.今後も公私ともに面白いものを創っていきたいと思います.


学会の後で,告知した記事のほうにコメントをいただいたので
こちらでレスしたいと思います.


> お疲れ様でした。もしあれだったら秋葉原のメイド喫茶でも案内しようと思いましたが、
> 多分新幹線だろうと思い、断念しました。また東京にこられたときにでも。

ぬわー! 実を言うと20:30の飛行機で帰ることになっていたので19:30ごろまで秋葉原を散策してました.
DSでごにょごにょする道具がいたるところで売られていたので軽く引きましたが(笑
メイド喫茶は5〜6年前に一度行ったきりですねぇ.幽体離脱して.あ,それは冥土喫茶か.
年に何回かは東京に足を運んでますのでまたお誘いくださいませ!



> お疲れ様でした!
> 今日,インタラクティブ発表のときにそちらのブースに遊びに行ったおーつきです.
> 今日はお疲れ様でした.(^-^*
> なんだか分野かぶってるみたいなんでまたどこかの学会でお会いしましょう♪

昨日はデモ発表を見に来ていただきありがとうございました.
今後行く先々でお会いするかもしれませんが,どうぞよろしくお願いします.
句読点が「,」「.」になってるのを見て親近感を覚えました.
(研究者はそれがデフォルトか!)



参加者・発表者・運営者のみなさまお疲れ様でした.
楽しかったです.次回も投稿したいなぁ.


インタラクション2008が近づいてまいりました
国内最大のヒューマン・インターフェース系シンポジウム(というかむしろお祭)
である「インタラクション」が今年も開催されます.

■ インタラクション2008
URL :http://www.interaction-ipsj.org/index.html
   ↑相変わらず過去の予稿集が読み放題となっております.なんてオープンなの!
日時:2008年3月3日(月)〜4日(火)
場所:学術総合センター 一橋記念講堂

事前登録の締め切り(2月15日)がそろそろです.
行く予定で登録まだの方はお早めに.


あ,それとインタラクティブ発表することになりました.(゚∀゚)ウカッタヨ!!
福岡から東京までデモ機持ち込んでワーイですよ.ワーイ.

現在,その準備に追われてドタバタしてます.
他にもいくつか爆弾を抱えてるので笑えない状況です.

インタラクションでmasayashiさんをいじったり,逆にいじられたり
するのを楽しみにしながら頑張りたいと思います(またか


/* 余談
なにげなく書いた前回の記事がはてぶのホッテントリに上がってたので
びっくりしました.ありがとうございます.
「ライブラリに頼らずガチで」は潜在的に需要あるのかな?
*/



ここまで来た! 画像処理の最新動向
龍谷大学で開催されたPRMU(パターン認識とメディア理解)の研究会に行ってきました.
論文で見た著者の顔を実際に見るのが楽しみのひとつなんですが,今回の研究会では,

画像処理の本で有名なあの人が!
カメラ位置姿勢計測の論文で有名なあの人が!
コンピュータビジョンの権威が!
ARToolKitのあの人が!

という感じでした.
隣に座られたりした日にゃ緊張しっぱなしです.

ちなみに今日のタイトルで「ここまで来た!」と煽ってるのはCVPRとISMARの話です.

kanban_PRMU_.jpg
CVIM,PRMU,SIG-MR・・・
わかる人にはわかるけど,わからないひとには暗号の羅列のようだ.


■拡張現実感技術と画像処理

拡張現実感(Augmented Reality:AR)と,画像処理の関係はとても深いです.
今回発表があったAR技術における画像処理の話題を以下に適当にまとめてみました.

●画像からのカメラ位置・姿勢計測の話

・マーカを目立たないようにしようという試み
 物体の四隅に同系色のマーカを取り付ける方法
 ポスターに特定のデザインルールを設定して,ポスターをマーカのかわりにする方法

・マーカをもとに計算された位置姿勢の値を安定化しようという試み
 過去フレームの情報を用いたり,磁気センサとのセンサフュージョンを用いる方法

・意図的にマーカを配置しない試み
 ・絵本の図案そのものをマーカにする方法
 ・風景の特徴(ランドマーク)を用いる手法の性能向上

●その他

・マーカレスのギター演奏支援ARアプリケーション
 ギターの形状特徴に着目したモデルを利用して,マーカレスでCG重畳表示

・プロジェクタ型複合現実感のための焦点ボケの自動補正
 カメラ画像から投影面のボケを推定し,補正を行う

・実物体と仮想物体の光学的整合性に関する研究
 実物体が仮想物体に落とす影,仮想物体が実物体に落とす影,そして
 その両方が重なったときにできる影の整合性(←ここが新しい)の追求.


■CVPR2007とISMAR2007の参加報告

先端の研究者や先生方が国際会議に行って見てきたことを報告するセッションもありました.
発表内容をざっとですが,日本語で説明してくれるので非常にありがたいお話です.
ありがたやありがたや.

CVPRはコンピュータビジョンとパターン認識に関する国際会議で,非常にレベルの高い学会です.
CVPR2007でベストペーパーを受賞した"Dynamic 3D Scene Analysis from a Moving Vehicle"
という論文は,走行中の車において,車載ステレオカメラの映像から歩行者と自動車を検出して,
それらの3次元位置をワイヤフレームで囲って表示するというもの.動画を見せられて唖然としましたよ.
もはやデンソーのあのCMですよ!

bestpaper_cvpr2007.png

特徴点を使って路面推定し,2次元のマッチングで人と車を見つけ,それぞれの3次元軌跡追跡を
やっている模様.さまざまな仮説を立てて観測されたデータをうまく説明できる仮説を選択し,それを
検出結果としてるんだとか.シンプルなアイデアの組み合わせで強力な検出能力を実現しました,
というのがポイント.

動画はこちら
http://www.vision.ee.ethz.ch/~bleibe/cvpr07/videos.html

論文はこちら
http://www.vision.ee.ethz.ch/~bleibe/cvpr07/


CVPR2007のバイオメトリクスに関するセッションでは,「「顔検出」に関する発表が姿を消した
とのことで,画像処理におけるひとつのテーマが終焉を迎えたようです.OpenCVにはHaar-like特徴と
Boostingアルゴリズムを使った顔検出器が実装されてますが,あれを見てると自然な流れかな,と
妙に納得してしまいます.ちなみに顔「認識」のほうは現在進行形の模様.


一方,複合現実感の国際会議ISMAR2007でベストペーパーを受賞した
"Parallel Tracking and Mapping for Small AR Workspaces"
という論文は,日本の研究者にとってかなりの"激震"だったようで,とある先生は
自分が見たセッションの中にはベストペーパーのインパクトを超えるものはなかった
と語り,とある企業の研究者は「ぐぅの音も出ないですね」と吐露してしまうほど.恐ろしい子!

bestpaper_ismar2007.png

マーカなし,既知モデルなし,そして使うのはカメラ+PCだけのARシステム.しかもリアルタイム.
未知環境下でカメラ位置推定を行うVisual SLAM(Simultaneously Localization and Mapping)の
改良版で,提案手法はトラッキングとマッピングを並列処理することにより,高速で安定な計測を
行っています.

著者のサイトに動画と論文が置いてあります.
http://www.robots.ox.ac.uk/~gk/

ちなみに今年ソース公開の予定だとか(←ここ重要)

(上記サイトより)
It will take some time to get the code in a distributable state but I hope to release it before the end of the year. Update: We're discussing licensing possibilities with Isis Innovation (the university's technology transfer company) and deciding how best to proceed.

どうやら会社とライセンス契約を検討中のようです.つ・ま・り…ウボァー


■思うこと

発表内容では,複合現実感における「光学的整合性」の話が興味深かったです.
実世界の光源とのリンクや,実世界の風景が仮想物体に映りこむ現象の提示といったことは
課題として既に上がっていますが,発展途上なのが現状です.

一方で,マーカどうこうの話はそろそろ終焉を迎える時期に来ていると思います.
今後は,よりリアリティの高い現実世界と仮想世界の融合がテーマになっていくのではないでしょうか.

あと,日本語で書かれた参加報告をサーベイの足がかりにするのって
楽でいいなと思いました.そんなD2の冬
.(ぎゃー)


■オフライン・トーク

学会参加が個人的なOFF会になりつつありますw
毎回いろんな人と出会えていろんな話が聞けて嬉しいです.

当日はKeiさんとお会いして学食で一緒にご飯食べたりしました.
龍谷大の生協はおかずのバリエーションが多くてうらやましいです.おいしいし.
夜は犬がいる某ラーメン屋に連れて行ってもらい,焼チャーシュー丼をむしゃむしゃ.ウマー
画像処理を使ったダメなオンラインサービスの話で大盛り上がり.

2日目にmasayashiさんと合流.masayashiさんは発表でした.
帰りのバスで「研究オワタ」とか「俺ら涙目」とか言って盛り上がる.
京都駅でおみやげ屋で生八橋を二人して物色.イチゴ入り生八橋が気になる.
店のレジの金額表示が15インチ液晶ディスプレイになってて微妙にハイテク.
ギリギリまで話してさようなら.

Keiさん,masayashiさん,どうもありがとうございました.