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Author:はしもと
ユーザインタフェース系のお仕事をしてます.関心領域は画像処理,拡張現実感,ヒューマンコンピュータインタラクション,エンタテインメントコンピューティングあたり.モノ書きもやってます.

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【アート×インタラクティブ×エンタテインメントの旅 その6】 EC2007
お待たせしました.このレポートも最終回です.1週間遅れになってしまいましたが,エンタテインメントコンピューティング(EC2007)のレポートを書きたいと思います.

■ エンタテインメントコンピューティングって?

ec2007_kaijyou.jpg

 その名のとおり,エンタテインメント利用のためのコンピュータ技術,インタラクティブ技術に関する会議です.主にバーチャルリアリティ系の研究者が集まっていますが,ロボットに関するオーガナイズドセッションもあり,著名なロボット研究者らの発表もありました.2日前にIVRCで展示があった作品に関する口頭発表もありました.

taiyounotou.jpg

 場所は大阪大学の吹田キャンパス.アクセスする途中には万博記念公園(とエキスポランド)があり,モノレールから太陽の塔も見えます.



■ 今年は随所に趣向を凝らした演出が

実行委員のなかに∞プチプチに触発された人間でもいたのか,予稿集がプチプチ包装になっていました.色も3色(赤・緑・青)選べます.ってRGBかー!w

ec2007_puchi2book.jpg
本棚にしまうとプチプチがつぶれる仕様(笑)

ec2007_puchi2name.jpg
そしてネームプレートもなぜかプチプチ仕様.
どんだけフェチなんだ.

予稿集CD-ROMはさすがにプチプチしていませんでしたが,プチプチに予算をとられてしまったのかCD-Rでした(ちょっと悲しい).

ec2007_hane1.jpg

これがメインの講演会場の様子.この写真ではわかりずらいですが,床にはたくさんの羽が敷き詰められています.「片付け大変だろうな」と他人事のように思ってたら最終日にお持ち帰り袋が配られ,見事に掃除の片棒(笑)を担がされました.

ec2007_hane2.jpg
アームレストにしてくださいって言われましたが羽が突き出てチクチクします…

※会場の様子が公式にYouTubeにUpされています.興味のある方はドウゾ.
 http://youtube.com/user/ec2007osaka



■ 注目のセッションは「香り提示」

 今回一番興味深かったのが,香り提示に関するオーガナイズドセッションでした.第一線の匂いセンシング・香り提示技術の研究者,非常に実用的なアイデアを初公開した研究者,そして企業のエンジニアという,匂い技術のプロたちが一堂に会し議論を繰り広げるという非常に面白いセッションでした.

 まず国内の匂いセンシング研究の第一人者である中本高道先生(東京工業大)からイントロダクション的な発表がありました.匂いのセンシングというのは,それぞれ異なる化学物質を検知するセンサを複数使ってその含有率をニューラルネットなどの手法で解析して何の匂いであるかを判別しているそうです.発表のなかで,WBSのトレたまのコーナーで紹介されたときの動画も出てきました.

 香りプロジェクタを開発した柳田康幸先生(名城大)からは最初に匂い提示の難しさの話がありました.光には三原色(RGB)というものがありますが,「匂いには原臭というものがないのでは?」というくらい,匂いは数十種類の化学物質から構成されており,センシングも提示も難しいそうです.香り提示装置の研究は1960年ごろから行われているという話にもちょっとビックリ.

 香りプロジェクタというのは,米村でんじろう先生でおなじみの「空気砲」の原理を使って匂いを飛ばす装置です.今回の発表では,顔に突風(渦輪)があたった感触をなくすアプローチとして,2台の香りプロジェクタを使って顔に当たる前に2個の渦輪を衝突させて破壊する方法,後から速度の速い渦輪を撃ち出して破壊する方法などを提案されていました.

ec2007_smell_prj1.jpg ec2007_smell_prj2.jpg

 北陸先端大のKIMさんからは,ゲルのなかに匂い物質を閉じ込め,ペルチェ素子による温度制御で匂い提示を行うという新しいアイデアの発表がありました.温度を上げるとゲルがゾル状態になり匂いが拡散し,逆に温度を下げるとゲル状態に戻って匂いの拡散が止まるという仕掛けです.装置の小型化(カードサイズくらい)ができ,かつ非常に安価に作れるということで,会場が多いに沸き,完全に「これは実用化だ」ムードになっていました.将来的にDSなどの携帯ゲーム機にも本格的に香り提示機能がつくかもしれません.

 オーガナイザの大島さんからは,香りを特定しにくい画像を見せたときに体験者が選ぶ「イメージに一番近い香り」がどのようになるか実験した結果の報告がありました.この実験は,画像から受けるイメージや連想されるものに合う香りによって画像の臨場感を高めるのが目的で,とある研究では「となりのトトロ」がムスクの香りとイメージが一致すると感じた,という実験結果も報告されているそうです.発表では,香りをイメージしにくいモノとして「ガラス」や「双眼鏡」などを実験対象にされていましたが,結果では個人が持つ体験などから連想される匂いを選ぶ傾向があるように見えました.まだ追究の余地ありですね.

 企業からは,富士重工業(スバル)の松尾さんから車載香り提示装置の開発について発表がありました.「車内では基本的に消臭して,出したいときだけ出したい匂いを提示」というコンセプトで開発されていました.ダッシュボードの上に置けるような小型の香りプロジェクタをすでに試作されているそうです.発表では匂い発射機構の流体シミュレーションの話もでてきて,かなり本格的に開発を行っている様子でした.

 もうひとつ企業から,NTTコミュニケーションズの境野さんからも発表があり,マーケティングの結果,香り提示技術に関する企業ニーズが結構あるという話がありました.近々,東京近辺の街頭で匂い提示に関する実証実験を予定しているそうです.広告としての匂い提示に関する実験で,匂いによる集客効果などを調査するらしいです.現時点ではまだ未発表ですが,これは要チェックですよ!


匂い技術に関しては完全に素人だったので,非常に興味深く聞かせていただきました.
あと1~2年のうちに匂い技術がブレイクするのは間違いなさそうです.



■ ロボットのセッションでKeeponの虜に

 ロボットのセッションで一番面白かったのが,黄色い雪だるまロボット「Keepon(キーポン)」を開発した小嶋秀樹さん(情報通信研究機構)の発表.Keeponは乳幼児を対象にしたぬいぐるみロボットで,見ている人にアイコンタクトをしたり,他の対象を見つめることによって見ている人の共同注意を誘ったりします.構造はシンプルながら,本当に愛くるしい動きをします.もうかわいくて仕方がありません.ちなみにこのロボット,海外の祭典で「世界一遊べるロボット」に選ばれています.

 発表のなかで乳幼児に対するKeeponの反応を見る実験がありました.子供のロボットに対する接し方が発育段階によって顕著な差がある点が興味深かったです.乳児は動くロボットを見ても,ただの物体としてとらえて叩いたりかじったりというリアクションをするのですが,2才くらいになるとKeeponと人形を使って「こんにちは」遊びをするようになるなど違いが見られます.

 このロボットは子供と高齢者には受けるが,大人にはいまひとつという「魔のU字曲線」があるらしく,その溝を埋めるために「いま/ここ感覚の共有」が必要とのこと.その1つの方法として音楽を聞いてリズムをとるという動作(インタラクション)を加えたそうです.このKeeponが楽しそうにリズミカルに踊る様子はYouTubeで公開されています.





ちなみに下の動画に登場する研究者風の男性は,ほかならぬ小嶋秀樹さん本人です.
いやぁ本当にかわいいですね.可愛すぎてどうにかなりそうです.



■ スペシャルセッションは例によってあの人

 もはや恒例となってしまった,ぜんじろう(吉本興業)による「ロボット漫才」が今年もありました.使われているロボットはNECのパペロというロボットです.パペじろうという名前がついてます.講演のなかではM-1やR-1で健闘された様子がビデオで紹介されました.国内では残念な結果になりましたが,海外でやった英語版ロボット漫才は非常に「ウケた」とのこと.

 昨年のECで「空気の正体を調べてきます!」と意気込んだぜんじろうさんでしたが,M-1やR-1に参加して観客の反応を探るうちに「空気はようわからん」と深みにはまってしまった様子.ネタが面白いから笑っているのではなく,単に自分が好きな芸人であるというだけで笑っている客もいるようで,空気(笑い)は観客の興味によって生成されているんじゃないのか?という話もありました.

 今年のECでは英語版のロボット漫才と,初公開の新ネタであるロボット同士の漫才がありました.ネタはそこそこでしたが,ロボットならではの笑いどころはありました.



 東京→大阪と連続で行ってきたので疲れました.しかし,いずれも大変興味深い内容でいい刺激になりました.来年は発表するかはわかりませんが,是非参加しようと思います.というわけで【アート×インタラクティブ×エンタテインメントの旅】シリーズはここまでです.読んでくださいましてありがとうございました.


この記事に対するコメント

キーポンかわいい!
でも,音楽に合わせて踊っている姿を見ると昔あったダンシングフラワーを思い出す….
あれが高機能になっただけじゃないのか? と.
もちろんソンナコトナイのはわかってます.

それに踊っている姿はRollyの数万倍かわいいので許します.
【2007/10/10 10:03】 URL | hiro #Hj1FNbYI [ 編集]




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