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Author:はしもと
ユーザインタフェース系のお仕事をしてます.関心領域は画像処理,拡張現実感,ヒューマンコンピュータインタラクション,エンタテインメントコンピューティングあたり.モノ書きもやってます.

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工学ナビの中の人 はしもとのブログです. いろんなコトを研究的,工学的な視点で見つめます.
【旅行記1】 ICC アート&テクノロジーの過去と未来
 プランニング当初,東京滞在中に時間的余裕がありそうだったので,どこかで岩井俊雄さんの作品が拝めないものかと考え,ネットで検索してたらICC(NTTインターコミュニケーション・センター)という美術館を発見.常設作品として岩井作品「メディア・テクノロジー~7つの記憶」があることを知り,これは行かなくては!と予定に組み込む.


【10月28日】
東京の友人と代々木で合流.
代ゼミの前で「荻野ポスター」を見ながら無意味に盛り上がる.
新宿初台まで歩いて東京オペラシティ(ICCが入っているビル)に到着.
お腹が減ったので地下1階のロッテリアで昼食にする.
向かいのOLが買ったばかりのハンバーガーセットを派手にこぼす(合掌).

東京オペラシティからの眺め

▲ 東京オペラシティからの眺め.都庁が見える.


東京オペラシティ

▲ オペラシティ1Fの階段.こういう造りの建物に憧れます.

 昼食後ICCに入場.大学生は600円で入れる.ちょうど「アート&テクノロジーの過去と未来」なる展覧会が行われているため,常設展示がない! ショック! ・・・と思っていたら時間層Ⅱが展示されているではないか!! 嬉しい誤算だ.(実は岩井作品ではこれが一番見たかったのだ)

時間層Ⅱ】
 時間層Ⅱは写真や動画で見るのと,現物を実際に目の当たりにするのとでは全く印象が異なる.紙の人形がまるで生きているかのように踊りだす瞬間は心を奪われる.原理は頭で理解できても目の前で起こっている現象はにわかには信じがたい.人形の動きの変化に同期して一昔前のゲームセンターのような電子音がピロピロピロピロと鳴るのがまたいい.ずっと見ていて飽きなかった.


 展覧会の内容としては,インスタレーションと呼ばれる「空間」や「場」を利用したアートがとても印象的だった.なかでも予約制だった体験型アート「ものと音,空間と身体の為の4つの作品/前林明次」が異彩を放っていた.


ものと音,空間と身体の為の4つの作品
自分の順番が来ると暗い部屋に案内される.体験時間は1人10分間.
中は4つの部屋に分かれているらしい.なんだかお化け屋敷みたいだな,と思った.
しかし渡されるのは懐中電灯ではなく,ブザーだ.

係員:「もしご気分が悪くなったらこれで呼び出してください.すぐ行きますんで」

気分が悪くなるようなものがあるのだろうか.
ちょっと不安になる.

ワイヤレスのヘッドフォンをかぶりいざ中へ.

一つ目の部屋は「ラジオ」.
暗い部屋に椅子,テーブル,そしてノイズ音を垂れ流しているラジオが置いてある.
ラジオにはスポットライトが当てられている.
椅子に座るとスポットライトがふっと消え部屋が真っ暗になる.
その直後,ヘッドフォンからサーーーーーというノイズとも雨の音ともつかぬ音
が聞こえてくる.・・・いや,たぶん雨の音だ.
風の音も聞こえる.暗闇の中にたたずんで音を聞いていると
異なる空間にいる空気感を感じる.不思議な違和感だ.


二つ目の部屋は「窓」.
床面に窓ガラスのシルエットが映し出される.
窓ガラスには外の庭木のシルエットがうつり,風にあおられている.
そしてヘッドフォンからはヒューーという激しい暴風雨の音.
ちょうど真夜中に台風がきて停電したときの様相を思わせる.
建てつけの悪い窓がガタガタと騒ぎ,雷光が窓のシルエットを
床に投影する.そんなイメージ.


三つ目の部屋は「メトロノーム」.
ラジオと同様に,テーブルの上にメトロノームが置いてある.
逆振り子状のものではなく,「ポツ・ポツ・ポツ」と音を出しながら
光が点滅する,電子式のものだ.
部屋が暗くなるとポツ・ポツ・・・・という音に同期して点光が点滅をはじめる.
やはりこれも聞いているうちにポツ,ポツ,という雨音に聞こえてくる.
テンポよくポツ音と光がフラッシュするのだが,これは長時間やると本当に
気分が悪くなるかもしれない.
もっと見ていたかったが,時間が心配になってきたので最後の部屋に移動する.


最後の部屋は「闇」.
床に月のような円形のスポット光が当てられている.
それに近づくとヘッドフォンからは都会の雑踏の音がざわざわと聞こえてくる.
人ごみを歩く人の足音,女子高生の会話,自動車が走り抜ける音・・・
いろんな音が自分の身体をすり抜けていくような感覚を覚える.
透明人間になって渋谷のスクランブル交差点のど真ん中に立ったら
きっとこんな感じだろう.


 インスタレーションというものを言葉では知っていたが,実際に体験してみて驚きを禁じえなかった.いままで絵画とか彫刻の類のアートはいまいち馴染めなかったが,音や光,映像やCG,そして空間や場で人間の感性に訴えかけるアートはすごく面白かった.また行きたいと思った.


つづく


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